3月 02, 2010

イメージよりな・・・?

仕事上よく「今回は“イメージ”的なものではなく、もっと直接販売に繋がる〜」
という言葉を、お客さんやお客さんから聞かされたりします。

まぁ、話しの前後から、なんとなく何が言いたいのかはわかるのですが。

にしても曖昧なんですよね。

まず、お客さんが言う“イメージ”って、どういうものを指しているのか?なんですけど、
こっちが、製品なりサービスなり、あるいは企業そのもののブランド育成を意識して
企画、提案したものに対して、そう言われることは多いですよね
(まぁ、ブランディングに関しては最近でこそ少し理解してもらえるようになって来た?
感じですが)。

でも、まぁ、それならまだまし?というか、お客さんによっては、なんというか・・・、見た目がチラシ的なのもの?じゃないと、全て“イメージ”で片付けられてしまうような
(それが、いくら“販促的役割を担わせる広告”だとしてもの話しだけど)。

「奇麗なだけのデザインなんて意味がない」

といったことは、よく聞きますよね。
私は、デザインには基本的に“全て意味(機能)が有る”と思ってますし、
実際にもいつもそういう考え方で制作しています。

そういう意味でこの言葉は正しいとは思うんですど・・・、でも、それって、
どういう意味で言っているのかな?と。その後に続く言葉は?

汚かったらそれ以下じゃないの?

って思っちゃう言い方なんですよね。売る為の販促的役割の“チラシ的な広告”でも、
イメージは当然重要じゃないですか?

ただ単に「◯◯今なら50%OFF!」とか、そういう情報だけで、ブランドそのものを
反映させてない、あるいはブランドに相反するヴィジュアルやコピーで
メッセージを発信し続けていたら? いくら他方お金をかけてブランド育成広告を
うったところで、そのブランドは、そうであって欲しいと願ったようなものにはならず、
強いては、それが原因で競合との競争に負け市場からはじき出されたりということも
あり得るわけです。

つい先日、雑誌で読んだのですが、サムスングループの李健煕(イ・ゴンヒ)
二代目会長は 「機能や品質は各社いずれ横並びになる。製品のデザインこそが企業の
優位性を左右する源となる」 と、製品のデザイン性を重視し、製品の企画・設計の
段階よりマーケティング担当者とともにデザイナーを深く関わらせる体制を
構築したことで、他社と差別化をはかることに成功しブランドを育てたという話しが
出ていました。※週刊 ダイヤモンド 2010年 2/27号 [雑誌] 
ここで言われている“デザイン”は、当然“奇麗なだけのデザイン”なんてレベルの
話じゃなく、「機能や品質は各社いずれ横並びになる」つまり、そこがおさえられて
いるのは当然であり、その上で“デザイン”が差別化をはかる為の重要なものであると
言ってるわけです。

長年サムスンの製品開発プロジェクトに関わって来た関係者の一人は
「日本のメーカーは技術本意なのでそのような体制はありえない」と
言っているそうです。更に、日本は
 「とりあえず“いいもの(信頼性の高い品質の良い製品)”を作れば“売れる”」
という考え方から未だに抜けきれていないとも。
つまり“マーケティングも軽視しされている”ということになるんですかね。
(誤解の無いように言うと、これは技術などの“発見”や“発明”とかの“創造性”に関する
レベルの話しとは別の話しのつもりで言ってます。その件は、また、いつか)

マーケティング(あるいは、その感覚)を無視したデザインなんて、そもそも
あり得ないんだから、ならデザインが軽視されていても当たり前?技術思考のみで
企画された製品に、マーケティングが後付けで登場して、上からデザインの皮を
被せるって事でしょうか?
つまり、デザインは単に製品の“イメージ”の部分って訳ですね。

そうやって出来た製品などに対し、私たちは「さて、どうやって売ろうか?」と
広告などの企画を考えているってことなんです。

でも、その時点からでも、何とかブランドそのものを汲み取ってコミュニケーションに
繋げよう作りだそうと、頑張ってるんですが、決定的な差別化を探し当てるのは
凄く難しいし、なんとか絞り出したものも、お客様の方にしてみれば
ブランディングなんて、もともとが考えていなかったわけだから、
私たちの提案が単なる“イメージ”に見えても、ある意味しょうがないのか?とね、
思ったりもする訳です。

実際に、そのレベルというか、ステージ?からの

ブランド・ビルディング

っていうのも無い訳ではないし、要は意識の問題だと思うんですけどね。


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