3月 04, 2010

魔法のキーワード

最近“コミュニケーション・デザイン”という言葉があちらこちらで聞かれます。
なんか、この言葉に対する周囲の反応が、以前の“ブランディング”に対するものと
似ているように感じるんですよね。

どういうことかって言うと、“ブランディング”という言葉が聞かれ始めて
しばらくすると、各広告会社ともいっせいに
“ブランド”“ブランド”と唱え始めたわけなのですが、今回はそれが
“コミュニケーション・デザイン”とに、そのまま変わったっていう感じ?

でも、その殆どは自分たちの売りものを売るためのダシとして使われているようにしか
聞こえないんですよね。ま、そこも“ブランディング”の時と一緒なんですが。

まず“ブランディング”についてですが、どんなに優秀な専門家のいる
ブランドコンサル・ファームに任せてあっても、それで全て解決出来る類のものじゃ
ありませんよね。

ブランドコンサルは、あくまでもコンサルタント。
もちろん実施の部分でも社内教育やヴィジュアル・イメージ
(ロゴやヴィジュアル・アイデンティティ、オフィスやインテリアなど)、
コミュニケーション戦略など、お手伝いをしてはいますが、基本は、
その企業自体が重要性を理解し、主体となって進めなければ意味がないものです。

で、“コミュニケーション・デザイン”なんですけど。要は“ブランディング”の中の
コミュニケーションに関する部分って感じなんですけどね。

まぁ、もともと常に耳新しいキーワードを持ち出してお客さんの興味や焦り?を喚起し、
いろいろと売り込もうとするのはどこの業界にも有るんですけど、
あまりわからないままに、こういう言葉だけを使うもんだから最終的に
自分たちが信頼を失ったりするんですよね。

大きい広告会社なんかは、
「◯◯って一口に言ってもその範囲はとてつもなく広いし、やらなきゃいけないことも
すごく沢山有るんですよ。ウチに任せていただければ、その個別の課題に対して、
もっとも適切な専門家を集め進行することが出来ますし、なによりも全体を、
お客様の手を煩わすことなく一括管理いたしますので、コンセプトからぶれる事も無く
ゴールへと向かって進めて行く事が出来ますよ」 と。ま、単に
「ウチで仕切らせてくれ」という事なんですけどね、そういう事を言い出すわけです。

となると、そこまで大きくない?力の劣る?会社も
「負けてはいられない」というわけで、

これからはコミュニケーション・デザインだ!」

と、かけ声がかかり、
「ウチも、最近は“コミュニケーション・デザイン”という考え方をとりいれ、
お客様に“総合的に”ご提案し始めているのですが〜」 とね。
ま、言うのは良いんですが、総合的になんか出来る訳も無く、
ただ上っ面をなでただけで終わってしまっていたりで、
そうなるとお客さんの方でも「?」って感じで、段々信用しなくなって来るわけですね。

本当に大切なのは「何でも出来ます!」じゃなくて、例えば
“コミュニケーション・デザイン”なら、その中のどの部分に、
自分たちがプロフェッショナルとして責任を持つのかを明確にすること。

自分たちがなんのプロフェッショナルか?

ってことじゃないですかね。


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