気をつけよう気をつけようと思ってはいても、気付かないうちに、先入観やそれまでに何処かで刷り込まれたイメージによって物事を判断してしまっているときがあります。
私の仕事でも、目立たせたいから文字を “赤く” とか、“大きく!” というようなデザインに関する要望の多くが、先ほどの “先入観” や “刷り込まれたイメージ” から判断されたものだったりします。
まぁ、確かに目的を犠牲にして必要以上に品良く小さい文字で表記されていても「なんだかなぁ」と思ってしまうのもしょうがないかなとは思います。
簡単に言ってしまうと、基本的に全体の雰囲気とバランスが文字を含めた各パーツの所謂適正な大きさを決めるわけですが、その全体の雰囲気というのはあくまでも目的に沿ったものである必要がありますからね。
とりあえずここでは、その全体の雰囲気は目的にかなったものになっていると前提して話を進めます。
例えば “あるものを目立たせる” ということに問題をフォーカスすると、あるものが目立つ為には、その、あるものと他のものとのコントラストが一番重要になります。所謂地と図の関係ですね。
極端な例で言うと全体的に赤っぽい背景の上にいくら “大きく” “赤い文字” が乗っていてもそれはさっぱり目立たないというやつです。
まぁ、ここまで極端な例だと流石に誰もが言われるまでもなく気付くわけなんですが、もうちょっと事情が複雑になると、この手の要望が頻繁に入ってくる様になるんです。
要望を具体的にして、分りやすく伝えようとしてのことなのでしょうが、実は、要望を無理矢理具体的にしようとするあまり、このように先入観やそれまでに何処かで刷り込まれたイメージだけを元に、そういう言葉にしてしまっているのだと思います。
こういう時いつも思う事なのですが、具体的な指示というのは、なにも、何々を赤くとか、どこそこを大きくとかではないのです。
ある程度経験を積んだしっかりしたデザイナーに頼んでいれば、一番言いたいメッセージは何で、それに接する人にはどんな反応を期待していて、どんな印象を持たれるのが最も好ましいか?といったところをはっきりさせた上で、どのような部分に不足を感じているのか?という事をきちんと伝えた方が余程、最短距離で望んでいる効果をもったものを提案できるはずなのですが。。
少なくても、先入観や前もって何かで刷り込まれた、もやっとしたイメージで要望を出さない様にするだけでも、本当にデザインの力が活かされたものが出来るはずだと思っています。
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