8月 10, 2012
インパクト
最近「広告や販促物などのデザインやコピーにインパクトを出すって、色々な意味で難しい問題なんだなぁ」と考えてしまうシチュエーションが結構あります。
“色々な意味で” と書いたのは、単に目立てば良いってもんじゃないというマーケティング的な問題や、デザインやコピーにインパクトを出すための技術的な問題だけではなく、そもそも「インパクトなんて必要ない」と思われているツールやタッチポイント、戦略的なシチュエーションが有るという問題も多いと考えるからです。
なぜそのような事になっちゃっているんでしょう?出る杭は打たれるとか、沈黙は金とかのような諺もあるように、文化的な何かから来ているのでしょうかね?
単に目立てば良いって事じゃないというマーケティング的な意味の方は、そりゃ当然難しいわけで、簡単だったら我々は苦労しないどころか仕事が無くなってしまいますね(笑)
しかし、どちらかというと後者の「あまり目立たない様に発信して、でも伝えたいことは相手にちゃんと届けたい」という話の方がさらに大変です。
そういう状況になると、どうしても真っ先に頭に浮かんでくるのは「そんなことは無理」「効かない物になってしまう」「意味がない」というような言葉で、若い頃から、どうやって他の物や競合より上手く目立たせるか?ばかり考えさせられてきた私たちには信じられないことだからなんです。
でも実はこの “目立たない様に” にも二種類あるんです。
一つ目は、発注者として、とにかく何かやれば、少なくとも会社(あるいは上司)の命令は、つつがなく遂行した事になるから、あまり余計な事をやり過ぎて逆に悪い効果が出たら嫌だという、所謂保身感情からくる目的のすり替え。これは本当にその企業にとって大きな損失を生むものです。
かたや、単純に “悪目立ちしたくない” というだけの意味のものもあるのです。
後者の意味で発注者が言ったにも関わらず、“目立たない様に”という、言葉だけで私たちが勝手に前者の意味でとってしまうことや、発注者が上司から、そのような意味で注意されたのに対し、制作者にその言葉だけをそのまま伝えてしまうケースもあります。
何かをアピールする事や特徴を分りやすく出す事と、そのブランドに全く関係無くただ目立って名前を憶えてもらえれば良いという事や、メッセージを訴えたい人たちの普段活動する環境から心の中に作られている感覚を無視して突飛な事をやるという事は全く違う話です。
打ち合せなどの会話の中に「目立ちすぎない様に」という言葉が出た時は、そのまま言葉通りに受け理解した事にしてしまうのではなく、上記の事を念頭にどういう意味での “目立たない様に” なのかをきちんと確認した上で対応をしていく必要がありますよね。
でないと、それこそ何の効果も出ない意味のないもを作ってしまう事になっちゃいますから。
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