7月 12, 2012

“引き寄せる”は本当なのか


よく聞く言葉の一つに「思った事や口にしたネガティブな言葉は、例え冗談だとしても、実際にそういう状況を引き寄せてしまう」というようなものがあります。

「お金がない」とか「自分には無理」とか「仕事がつまらない」とか。「会社のレベルが低い」なんていうのも、その中に入るのでしょうか。
どうもこのような事を特に口に出して言うと、脳が現実でも本当に(あるいは、更にもっと?)そうなる様に、無意識に自分の行動をコントロールするそうなんです。
それを理由として逆にポジティブに思考する事で幸運を引き寄せよう!とか、成功を目指そう!といった主張もありますよね。

私が超お金持ちに成れてないのは信じ方が足りないのでしょうか。それとも心の何処かでそう成れる事を疑っているのでしょうか。

この事とは一見違う種類のものなんですが、同じ “引き寄せる” というものの一つに「自分を安く売っている人の周りにはお金のない人しか寄ってこない」というものがあり気になっています。まぁ、これには「確かにその通りかも」と思い当たるところがいくつかあります。

安売りイメージのビジュアルは、そういう人を惹き付ける為のものであって、そういうビジュアルを使うという事は、つまり、そういう人たちをターゲットにしている、という事になりますよね。だから「そうしないと売れないから」という言葉が出て来るのは当然だと思っています。相手はそういう人なのですから。

しかし私は、よく聞く「今や、みんなお金を持っていないんだから、そうするしかものを売る方法なんてない」という言い分には若干疑問を持っています。
利益を下げて安く売るから大量に売らなきゃならなくなり、大量に売る為に今やもっとも対象者数が多いと思われているお金のあまり無い層、お金を使いたく無い層をターゲットにせざるを得ないといった事になっているケースは無いでしょうか。実際高くても売れるものは、ちゃんと売れてる様に見えますし。

ですので、その商品を本来どういう人に買ってもらいたいのか、どういう人にファンになってほしいのか、どんなイメージとともに残したいのかを改めてきちんと整理し、ちゃんと定めた上でどういうビジュアル(イメージ)を使ったアプローチをするのかを決めないと、望まない層を惹き付けブランドに二度と立ち上がれないくらいのダメージを与えかねない事をしてしまう可能性があるのです。

さて、最初に触れた「思った事や口にしたネガティブな言葉は、例え冗談だとしても、実際にそういう状況を引き寄せてしまう」という問題ですが、それが本当かどうかは私にはわかりません。

ただ、そういう考えや自分の発した言葉が自分の思考にまったく影響しないとは考えづらいのも確かです。
そして、そうしたちょっとした事が “何かを信じる” 事をちょっとでも阻害するとすれば、それは間違いなく行動にも影響すると思います。
人間は、最低限自分が信じてない事は本気でやろうとしないでしょうし、それはつまり始める前から自分で自分にブレーキをかけているのと同じですよね。

広告や販促物で、どんなに素晴らしいスローガンやキャッチコピー、ビジュアルなどで競合と差別化しターゲットに対しメッセージしていたとしても、社員や売っている人たちがその事を信じていなければ、おそらくその企業や商品、サービスは、それらがブランドとして目指す “そうありたい姿” として、ターゲットの心の中に存在する事は難しいです。

つまりそれは、そういう結果を “引き寄せ” ているのと同じ事だということですね。

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