前回、発注者が自分のイメージの表現を実現するために、
"自分たちの制作物に馴れているクリエイターを使う"
ということだけで、その問題を解決しようとする場合、
結局あまり、うまくいかない事が多いということを書きました。
単純に表面上の表現のテイストだけ合わせるなら
それこそ "馴れ" があれば、ある程度の "勘" を働かせて、
なんとか好みのものを作れるのかもしれません。
しかし、伝えるべきメッセージが見当違いの方向を向いていたら?
その場合、いくら表現のテイストが好みに合っていようと、
"ちょっと違う" "ピンと来ない" ものになるのは当然ですよね。
これは、よくあることなんですが最終的な表現部分の話と、根本的な伝えるべき
メッセージの話がごっちゃになってボンヤリと語られている状態なんです。
”誰に対して、どの部分を売りにしたいのか?" "結果としては何を得たいのか?"
という部分は、製品やサービスによって同じではない事の方が圧倒的に多いわけで、
その "メッセージの前提" の説明が何も無く、想像でものを作るというのは、
どんなに優秀な、あるいはそのクライアントに馴れているクリエーターであっても、
ほぼ賭けのような状態で作っているというのが実情であり、たとえお客さまから
「さすが、わかってますねぇ」などと褒められたとしても、
それは単に賭けに勝ったという話でしかないですからね。
もし、時間が本当にない仕事なら、最初の打ち合わせに少し時間が多めにかかっても、
決して曖昧にせず、ハッキリとクリアにしておくことが、結果的に時間も労力も
節約出来、お客様の "イメージ" どうりのものを作ることを可能にするのです。
私たちがやっているのはビジネスであってゲーム(賭け)ではないのですから。
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