「これしかないの?」「選択肢が欲しい」
「もっと他に無いんですか?」
お客様に提案した席で、この類の言葉をいただく時があります。
これには単に "社内の承認を得る手続き上、複数案欲しい"
という場合と、"提出された案にピンと来てない" という場合が
あります。前者の場合は更に
"単にデザインのバリエーションでいいから選択肢として複数欲しい"
という場合と、
"発信したいメッセージに対し、様々な角度からの表現アプローチ案がもっと欲しい"
という場合。また更に
"発信するべきメッセージ自体に別の考え方がないか?"
というレベルのものまであります。
それらの各レベルは、先方からのオリエンテーションの内容や、その後の打ち合わせ、
提案したものに対するフィードバックの内容で、ほぼ分かるのが普通なのですが、
まれに大きく勘違いして受け取ってしまい、再提出時になってそのことが判明する
といった事もなくはありません。
そういう事態を避けるために、受け取る方は、初めから "このレベルの修正の話" と
勝手に前提せず、 その都度、それがどのようなレベルの話されているのかを確認する
ことが大切になります。
それは、我々の様な外部の協力会社とお客様との関係の中だけの問題ではなく、
それぞれの社内のコミニュケーションにおいても非常に重要なことです。
そして、もっと注意すべきことがあります。
ゴールを設定できないまま、オリエンテーションを行ったり、そのまま
受けてしまったりした場合です。
この場合、そもそも最初から何も絞られてないわけで、制作側としては、
制作者としての見解の中で最も効果的であろうと思われる方向に絞った上で、
違う表現のアプローチをいくつか提案する事になります。
そして、そんな時に出て来やすいのが、やはり
「他になんかないんですか?」なんですね。
もちろんそれは、お客様が、制作者から提案されたものに対して "ピンと来ていない"
ということなのですが、ピンと来ない理由の大きな部分は、
そもそもの "ゴール" が両者の間で明確になっていないということ
が大きかったりするんです。
方向を絞らないまま、アイデアを出すということになると、その様々な方向の
根本的なメッセージの検討に始まって、更にそれぞれに表現アイデアのレベルでの
様々な可能性を探らなければならないわけですから、それこそ、かなりの時間と
コストがかかってしまいます。
多くの一般的なプロジェクトは、そのような時間もコストもかけれないのが殆ど、
もっとお互い効率よく進めなければならない場合に、それはロスでしかありません。
それを避け、定めたゴール=結果に向かって効果的なアイデアと
表現アプローチを得るために、オリエン(スタート=発注)の時点で、
そのプロモーションの "ゴール" というものを、両者でしっかりと確認しておく
ということが大切なんですね。
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